仕事を始めるために契約や借金を急がされているなら、その場では署名・借入れ・支払いを進めず、いったん離れて相談してください。 すでに契約や支払いをしていても、勧誘者から求められる追加の手続きは止め、消費者ホットライン188へつながれます。
出口をふさがれる、脅されるなど、いま身の危険がある場合は、書類や画面を残すことより安全を優先してください。近くの店員・施設スタッフへ助けを求め、緊急なら110番へ。緊急でない警察への相談は、最寄りの警察署または#9110です。警察庁の相談案内
好きになりかけた相手の紹介だから、断ると関係まで失いそう。そのために、仕事の内容より相手の顔色が気になることもあるかもしれません。相手への気持ちが残っていても、今日の契約を引き受ける必要はありません。
副業の勧誘中・契約後・借入れ後で、先にすることを分ける
詐欺かどうかを自分で証明してから、相談する必要はありません。借入れや高額な支払いに納得できないまま、手続きを続けないことが先です。
| いまの状況 | まずできること |
|---|---|
| 紹介・面談・申込みの途中 | その場の署名、借入れ、送金を止める。相手の指示でスマホ操作を続けない |
| 署名した・契約料を払った | 手元の書類ややり取りを残し、188へ契約と支払いの経緯を伝える |
| 消費者金融等から借りた | 副業契約の相談に加え、借入先の正式な窓口で借入れの内容を確認する |
| 次の人を紹介するよう言われた | 新しい勧誘を進めず、その指示や既に行ったことも相談先へ伝える |
消費者ホットライン188は、地域の消費生活センター等につながる案内です。相談は無料で、相談窓口への接続後は通話料がかかります。一部のIP電話等で利用できない場合は、同ページから地域の窓口を探せます。
会社名が分からない、契約書を受け取っていない場合も、分かる範囲から相談できます。 資料を集めるために会い直したり、全部そろうまで待ったりする必要はありません。
相談の出だしに迷ったら、今の状況を短く伝えられます。
「アプリで知り合った人に仕事を紹介され、コンサルの料金を払いました。そのために借入れもしています。契約をやめたいので、支払った先と借入先への対応を相談したいです」
まだ契約していなければ、「仕事を紹介されたのですが、始めるためにお金を借りるよう求められています」と、自分に起きた内容へ置き換えてください。
2026年6月の公表事例では、出会いが高額契約と借入れへつながった
消費者庁の2026年6月12日の注意喚起(PDF)では、マッチングアプリで出会った人から仕事を紹介され、別の人との面談でコンサル契約と高額な借入れを勧められた事例が公表されています。
仕事の説明を聞くつもりが、借りたお金を支払う話へ進む。職業や年収を偽って借りるよう指示された人もいました。研修後は、アプリで別の人を同じ事業者へ紹介するよう誘導され、収入を得られず借入金が残ったとされています。
「その仕事で返せる」と言われても、これから得る報酬と、今申し込む借入れを一緒に決めないでください。公表資料も、高額な借入れを要求された場合の慎重な対応と、納得できない点があれば断ることを勧めています。
自分が受けた勧誘に似ている部分があれば、実際の書類と経緯を相談先へ伝えてください。契約をやめる方法も、その内容から確認できます。
勧誘中は、仕事を断る言葉だけでよい

契約しない理由を、探し続けなくていい
伝えられる状況
契約も借入れの申込みもしません
怖くて言えない状況
相手を試さず、周囲へ助けを求める
危険なサインを数えるために、席に残らない
「紹介者に悪い」「ここまで来たから」と感じても、相手が納得する理由を探し続けなくて大丈夫です。伝えられる状況なら、今日することを短く区切れます。
「今日は契約しません。借入れの申込みもしません」
「仕事の紹介は断ります。ここで失礼します」
説明が変わった、急に別の人が来た、今日中の支払いを求められた。その一つでも、まだ納得できていないなら、確認の時間を取れます。「危険なサインが何個あるか」を数えるために席に残る必要はありません。怖くて言えない状況では、この文で相手の反応を試さず、周囲へ助けを求める方を優先します。
相手の指示で遠隔操作アプリを入れたり、身分証や口座情報を送ったりする操作も止めてください。国民生活センターの2026年5月19日の資料には、副業の説明中に遠隔操作アプリを使わせ、借入れや送金へ進めた相談例が掲載されています。既に操作・提供したものがあれば、それも相談時に伝えます。
契約後の「20日」は、取引の種類と受け取った書面から確認する
署名した後でも、契約をやめる方法を相談できます。消費者庁の前掲資料は、連鎖販売取引や業務提供誘引販売取引に該当する場合のクーリング・オフを案内しています。契約書に記載がない場合や、一見して事業者間契約のような場合でも、認められることがあるとしています。
ただし、「コンサル契約」という名前だけで、すべて20日以内なら解約できると決まるわけではありません。 消費者庁の特定商取引法ガイドにある、対象の取引についての原則は次のとおりです。
| 対象の取引 | 期間の数え始めと長さ |
|---|---|
| 業務提供誘引販売取引 | 法律で定められた契約書面を受け取った日から数えて20日以内 |
| 連鎖販売取引(消費者である無店舗個人の場合) | 法律で定められた契約書面を受け取った日から数えて20日以内。商品の引渡しが後なら、その日から |
前者は、仕事による収入を得られると誘い、必要な商品やサービス等の金銭負担を伴う取引です。後者には、勧誘による利益を示して参加者に金銭負担をさせる取引が含まれます。自分の取引がどちらに当たるかは、名称ではなく内容を相談先へ伝えて確認してください。業務提供誘引販売取引の説明、連鎖販売取引の説明
どちらも対象の場合、書面または電磁的記録による通知ができます。事実と違う説明や威迫によってクーリング・オフを妨げられた場合には、上の期間を過ぎても行える場合があります。日数だけで諦めず、受け取ったものと勧誘の経緯を早めに188へ伝えてください。具体的な通知先・方法・期限も、そこで確認できます。
相談の際に見返せるよう、手元にある次の資料を残します。
- 契約書、受け取った電子データ、説明資料
- アプリや外部メッセージでのやり取り、相手のアカウント情報
- 支払日・金額・相手先が分かる記録、借入先の情報
- 面談した場所や日時、何を言われ、どんな操作をしたかの覚えている範囲
記録がない部分は、ないまま伝えられます。書面や通知の保存方法も、相談先へ確認してください。
借りて支払った後は、副業契約と借入れを分けて相談する
勧誘者から「追加で払えば返金できる」「次の人を紹介すれば取り返せる」と言われても、そのための借入れや支払いを増やさないでください。
副業契約の解除や返金の相談とは別に、借入先の公式窓口にも連絡します。 分からない部分はそのまま伝えながら、次の点を確認してください。
- 借りた金額と、契約の内容
- 申込みの際に、自分がした操作と、勧誘者から受けた指示
- 借入先から届いた連絡や、今後の返済に関する疑問
勧誘者の「返済は不要」「こちらで処理する」という説明だけで、借入先からの連絡を放置しないことが大切です。国民生活センターの前掲資料にも、返済不要と言われた後で督促が届いた相談例があります。
返済や借金の整理で困っている場合は、日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターも相談先です。同協会は、借入れの契約内容や返済についての質問は契約先へ、返済困難等の相談は同センターへと案内しています。返済について分からないことは、個別の契約内容を伝えて確認してください。
次の人の勧誘を求められたら、その指示も相談先へ
前掲の消費者庁資料は、仕事として別の人を同じ契約へ勧誘させる行為にも注意を呼びかけています。借りたお金を取り返そうと、新しい人の紹介や契約の説明を引き受け続けないでください。
すでに人を紹介した場合も、その事実や受け取った指示を相談先へ伝えます。契約や借入れの経緯と一緒に、自分がしたことも相談できます。脅しや生活の安全に関わる困りごとは、警察への相談も選べます。
アプリ運営へ報告したい場合は、利用したサービスの公式ヘルプを確認します。例えばPairsの違反報告の案内は、ビジネスや勧誘等の報告方法と、操作できない場合のサポート連絡を説明しています。アプリへの報告と、契約・借入れ・身の安全の相談は別です。運営の返事を待ってからでなければ188や警察へ相談できない、という順番にはしません。
投資先への送金や出金のための追加料金が問題なら、アプリで金銭要求や脅しを受けたときの対応でも、支払う前と後を分けて案内しています。
期限について迷ったとき
20日が過ぎたと思ったら、もう相談しても遅いですか?
自分で期限切れと決めず、契約書や勧誘の経緯を188へ伝えてください。期間の数え始めは取引と書面等によって異なり、事実と違う説明や威迫でクーリング・オフを妨げられた場合など、期間経過後も行える場合があります。自分の契約に使える手続きは、相談先と確認します。
相手との関係より先に、今の負担を相談できる
紹介してくれた人をまだ信じたい気持ちがあっても、契約書を見てもらうことはできます。恋愛としての答えを先に出さなくても、追加の支払いを止め、いま起きていることを話せます。
好きな人の紹介でも、そのために借金や契約を引き受けなくてよいのです。
制度・窓口・公表事例は2026年10月14日に編集部が上記の公式資料を確認しました。個別の契約への適用や手続きは、案内先へご相談ください。
相談先
- SNS型ロマンス詐欺(警察庁)恋愛感情や親近感を利用した金銭被害が疑われるときの確認先です。
- 財産にかかわる危険(消費者庁)投資話、副業、契約、金銭トラブルなど消費者被害の注意喚起です。

